大きな目を、更に大きくした瑞希の目で見つめられ、照れ臭くなった達也は、瑞希にクルッと背を向けた。

そして「帰ろう?」と言い、後ろから瑞希の「はい」という返事を微かに聞くと、二人は教室を出て行った。

保健室へ行った時と同じく、クラスの男子から「ヒューヒュー」と囃し立てられ、「達也君って優しいのね!」などと、女言葉で冷やかされたりした。

それを達也は何とも思わなかったが、瑞希は、クラスメートから注目される事が、とても恥ずかしかった。