チャイムが鳴り、達也がドアを開けると、鮮やかなピンクのブラウスを着た春田が笑顔で現れた。手にはハンガーに掛けた瑞希の制服とブラウス、それと紙の箱をぶら下げている。

「こんばんは〜」

「どうも…」

「はい、これ」

「あ、はい」

春田は瑞希の制服をハンガーごと達也に渡しながら、靴を脱いでフローリングに足を乗せ、リビングをキョロキョロと見渡した。

「ヒュー。思ったよりも広いわ…」

そして、無遠慮に家に上がり込む春田に、達也は面食らってしまった。

「それ、どこかにぶら下げれば?」

「そうですね」

達也が瑞希の制服を持って部屋に向かうと、春田も後をついて行った。

「瑞希ちゃんは?」

(瑞希ちゃん?)

「キッチンにいます」

「そう? ふーん」