「どうして?」

「だって、達也みたいな人気のある人に、私なんか釣り合うはずないから…」

「そうでもないんじゃない? 特に今みたいな素敵な服を着てれば」

「ねえ?」と言われ、圭介は「今日の中山さんは一段と可愛いよ」と言ってデレッとした顔をし、祐子から睨まれていた。

「普段の私は地味な服しか着ないんです」

「じゃあ、その服はどうしたの?」

「達也に買ってもらったんです」

達也が止める間もなく、瑞希は正直にそう答えていた。

(あちゃ…)

『えーっ!』

また圭介と祐子がハモった。

「なんでなんで?」

「ちょっと気が向いただけだよ」

達也がそう答えても祐子は納得せず、瑞希に向かって「どういう事なの?」と聞いた。