瑞希が来て、達也の後ろに隠れるようにしたのだが、圭介と祐子にしっかり見られていた。

「な、中山さん?」

「なんで?」

二人に言われ、後ろを振り向いて達也は瑞希が来た事に初めて気付いた。

申し訳なさそうに達也を見上げる瑞希に、達也はニコッと微笑みながら小さく頷いた。

「一緒に映画を観ただけだけど?」

『へえー』

圭介と祐子が同時にハモッた。

「用事って、そういう事だったんだ…」

「達也が男友達より彼女とのデートを優先するなんて、信じられなーい」

「そんなんじゃねえよ」

「じゃあ、どんななの?」

今度は達也がからかわれる番だった。