「あっ」

「あら?」

白のブラウスに黒のネクタイ、黒のハイウェストのミニスカート姿で現れたのは、やはり達也のクラスメイトで、元カノの天城祐子だった。

「達也、来られなかったんじゃなかったの?」

祐子はそう言うなり圭介をキッと睨んだ。

「そのはずだったんだよ。ねえ、達也君?」

「あ、ああ。確かにそう言ったよ。へえー、おまえらデートなわけね?」

「ち、違うわよ。達也が一緒に行けなくて困ったって圭介が言うから、映画代を奢るなら付き合ってもいいって言ったのよ」

「そ、そうだよ。僕は映画って一人じゃ観られないから…」

そう言って圭介は顔を赤くした。

「へえー、でもデートには違いないだろ? 二人とも気合い入ってる感じだしさ…」

「ち、違うってば…」

達也が二人をからかっていると、圭介と祐子は突然達也の背後に目を向け、驚いた顔をした。