瑞希は目をつぶり、少し開いたさくらんぼのような口から、規則正しい寝息がしていた…

「ね、寝てんのかよ?」

それは、保健室で見たのと同じ、あどけない寝顔だった。

(俺の告白、聞いてないのか…
それにしてもこいつ、俺の事を信用しきってるんだな…)

達也は苦笑いを浮かべ、瑞希の唇に自分のそれをそっと重ね、「おやすみ」と小声で囁いた。


(ハアー、長い夜になりそうだなあ。テレビでも観るか…)


達也は長い腕を伸ばし、リモコンを掴んでテレビのスイッチを入れた。そして、再び深い溜め息をつくのだった。