達也は湯舟に浸かりながら、瑞希とのやり取りを思い出していた。

(あいつ、何考えてるんだ? まさか本気で俺と風呂に入ってもいいって、言ったんじゃねえよな…。からかいやがったのか? ったく、人の気も知らないで…

ん?“人の気”?

つまり俺の気持ちだよな?
俺の気持ちって、どうなってんだ?

ん……わかんねえ!)


達也は首にタオルを掛け、上半身裸で部屋に戻った。下はきちんと白いスウェットのパンツを履いていたが。

脱いだ服をクローゼットのハンガーに掛けながら瑞希を見ると、一瞬目が合ったが、すぐに瑞希は下を向いた。

(この程度で恥ずかしがるくせに、一緒に風呂に入ってもいいなんて、よく言えるよな…)