「あ、ああ、もちろんしないよ」

カードキーでドアのロックを解除しながら、(こんなに信用されてるんじゃ、裏切るわけにはいかねえな…)と達也は思った。


瑞希が言った“酷い事”は、殴ったり蹴ったり、罵声を浴びせたり、といった暴力の事であり、達也の想像とは違っていた。

会話が微妙にずれている事に気付かない二人ではあったが、二泊三日の同居生活が、今始まったのだった……