「先生、このTシャツとスウェットは?」

「中山さんの着替えよ。パジャマ代わりにもなるでしょ?」

「ああ、そうですね」

(着替えね…。あれ? 着替えと言えば、他にも必要な物がなかったっけ? もっと根源的な何かが…)

「あー、分かった!」

急に達也が大声を出したので、隣で瑞希がビクッとした。

「いきなり大声出さないでよ。びっくりするでしょ?」

「すみません…」

「で、何が分かったの?」

「瑞希が持ってる袋の中身です。それはパ…」

「言っちゃダメ!」

「はい…」

「池上君って、意外と面白いのね?」

「はあ…」

春田はクスクス笑い、瑞希は耳まで真っ赤にして俯いていた。

(“色”って、ソレの事だったんだ…。ちょっと、気になるかも)