「ふーん。ま、すぐに池上君の家に着くから、後は好きにしてちょうだい」

そう言いながら春田は、手に下げていた買物袋を、達也のひざ元にドサッと置いた。

「好きにって……え、何ですか、これ?」

「中山さんのために買った物よ」

「へえー、こんなに?」

達也が抱えた大きな買物袋には、何やら一杯詰め込まれていて、ズッシリと重さもあった。


「あ、あの…おいくらでしょうか?」

「ああ、そんな事は心配しないで? 私からのプレゼントよ」

「でも…」

「そのくらいの事、私にもさせてほしの」

「ありがとうございます」


そんな春田と瑞希のやり取りなど全く気にする事なく、達也は買物袋の中を楽しそうに覗いていた。

「出して見ていいですか?」

「どうぞ、いいわよ」