神野は右膝に置いた右手を軸にゆっくりと立ち上がった。

「いよいよか。はは!
オマエさ、何を知っているんだ?」

ガチャ━
重たい金属音がコンクリートの静寂の中に響き、カズヤの頭上には銃口があった。

「エート、神野さんがあの黒田の依頼を受けたことと、
神野さんが兵器売買に関する要人ばかり仕事と称して殺しまくってること。
あと次の標的がその最重要人物だということくらいですかね。へへ。」

カズヤは顔を上げることもなく早口でしかも一息で言った。

神野は、ふぅと溜め息をつき一度宙を仰いでからカズヤを見た。

「それで?オマエは今回どうするんだ?」

「もちろん着いていきます!!密着っす!!」

銃口の先の神野の目を見ながら満面の笑みでカズヤは答えた。
神野は拳銃をベルトに挟むとワイルドターキーの瓶をテーブルに置いた。