「はい、出来た。」

「わー!リリってさ、あれだよ、ドラえもんみたいだよね。」

「それは私が小さくてコロコロしてるっていう意味かしら。」

萌乃を横目で見上げながらリリが言った。

「え、小さいけどコロコロしてないじゃん?小さいけど。」

萌乃は最終的にリリの胸付近を見ながらニヤニヤとした。

「テメー!ぬっ殺すよ!」

「はいはい、じゃれ合いはまた今度、行くわよガキ共。」

チャリンと車のキーを鳴らした可那が振り返り扉へ向かう。 萌乃とリリもそれに倣う。

「猪狩って実物どうだったのー?」

階段を下りながら一番後ろの萌乃が一番前の可那に向けて言った。

「所々演技ぽかったわね。演技っていうのは第三者としてフィルターを通して見るからいいのよ。実際だとアクションが大きすぎで気持ち悪いわ。発声も身振りも。」

「萌ちゃんは普段からそれだよね。」