「うん、萌ちゃんも背高くて細身だからとってもいいわよ。かわいいしね。
制服着て銀座から秋葉原まであるいたらアイドルみたいになれると思うよ。」

ニコニコと里果が萌乃を見つめる。

それって結局オタク趣味ってことじゃないのよ、と不貞腐れた萌乃は大きいカットのタルトをむしゃむしゃと不機嫌に噛み始めた。

「じゃ、ごゆっくり」

と里果は言って「あらお久しぶりー!」と男女のテーブルへ向かって行った。

「カフェというより、もはやスナックみたいね。」

美月は言いながらダージリンにミルクを入れた。

「さてと、どうしようかねえ。」

「とりあえずさ、可那ちゃんと琴音ちゃん来るまでは、もう話進まないよね。」

と言う萌乃に美月もリリも、うん、と同調した。

カランカラン━

「あら、ようこそ。子供達がお待ちかねだわ。」

と里果が柔らか声を放った先には、170cmを越えたショートカットの美女と、妖艶を体現したような巻き髪の美女が立っていた。