「誰だそれ?右翼って。」
「さあ。間抜けな奴もいるもんですね。パクられるとか。間抜けというか馬鹿ですかね。へへ。」
「いや、右翼っていうのはあれだろ、熱心なほどアピールするものだ。彼は右翼としては立派に…
いや、違うだろ。そういうことじゃない。誰なんだ?どういうことだ?」
「じゃああれじゃないですか、市長殺害の事件を聞いて、自分の存在を売るチャンスだとか思った臆病者が勝手に自主したとか?」
「勝手にってオマエ、調べればやってないのバレるだろ。」
「普通ならそうですね。簡単にバレるでしょうね。やったのは神野さんで、そいつは神野さんのことを知らないし、神野さんはそいつのことを知らないんだから。へへ。」
ゴトっとサイレンサーがコンクリートの床に落ちた。
アルコール度数50.5度のワイルドターキーを目一杯口に含み一口で流し込む。
神野は思い返す。