「水樹……無茶すんなよ。前にも言っただろ?お前は女なんだからいくらでも俺が守ってやるって」


戸田さんは歩きながら話す。



「ご、ごめんねっ!!なんか体が勝手に動いてるっていうか…仕事上、我慢が効かないんだよね〜…」


あたしは苦笑いを溢した。



「……ったく。水樹らしいけどさ。危ないことはすんなよ?とは言っても水樹のことだから、んなこと言っても無理だろうけどさ。(笑)」



戸田さんはクスクスと笑っている。



「も〜!!笑わないでよーっ!!(笑)」


あたしは軽く戸田さんの胸を叩いた。



そしてちょっとしてから、あたしの部屋に着いた。



「水樹、カードキーある?」



「あ、うん!!」



あたしは鞄からカードキーを取り出し、戸田さんに渡した。



戸田さんは器用にカードキーを差し込み、戸を開けた。



「医者が来るまで寝てろよ」



戸田さんはあたしをベッドに下ろし、寝かせた。



「ごめんね…戸田さん」



あたしは痛むお腹を押さえながら謝った。



「謝る必要ねぇだろ?水樹は悪くねぇんだから」



戸田さんは優しく微笑んだ。



「……あたしさ…今日、初めて銃を握る手が震えたんだ」



あたしは何処と無く言葉を発した。



「……手が?」



「うん」



あたしはただ、真っ直ぐに白い天井を見つめていた。



あぁ…



あたしもまだ未熟なんだな。



そう思った瞬間だった。