瑠樹也はゆっくり九条に近付くと、ポケットから手錠を出した。



そして…



――ガチャリ



瑠樹也は静かに九条の手首に手錠をはめた。



「―――……」



あたし達は思わず息を飲んでしまった。



瑠樹也は長年追い続けてきた九条を今、やっと逮捕できたんだ…。


「……生きて罪を償え。親父を殺したことを一生忘れんな!!忘れたりなんかしたら…次はホントにお前を殺す。」



「……っ…!!」



九条は瑠樹也の威力に、かなり怯えている。



「分かったな?」



瑠樹也は念を押すように、九条に力強く言った。



「あ、あぁ…分かった」



瑠樹也は九条に返事をさせると、無理矢理、体を起こさせた。



「司令官、“8時25分'九条逮捕しました。」



瑠樹也はいつになく、真面目な表情で司令官に報告。



「あぁ。よくやった、倉橋」



司令官は瑠樹也の肩をポン、と叩く。



良かったね、瑠樹也…



あたしは心からそう思った。



「よし、じゃあホテルに戻るぞ。予定より早くマフィア捕獲に成功したから明日には帰国する。準備をしておけよー」



「「はい」」



司令官が話し終わると、みんなで外に出た。



は〜…



色々大変だったな、香港での仕事。



あたしは湿布が貼ってあるお腹に手を当てた。