「戦争でも起こすつもりか?」
「さぁな。しかし、お前も奪われている《創始者》に。」
「はぁ?」
「自覚していないのも可笑しくはない。」
合世色弥は話続ける。
黒也が《創始者》から、奪われたモノは何か。
黒也自身、自覚はない。
大切ならば分かるはずである。
「『人を害する恐怖』だ。」
「なっ…。」
「お前は今の状況でも、何も感じない。勿論、人を殺す時も平常心だろうな。」
自覚の無い失われたモノ。
合世色弥は彼に告げる。
別に無くてもいいモノでもある。
取り返したいか、と言われるても、必要の無いものに等しい。
「奴等はお前を殺人人形にでもするつもりだろう。」
「俺は…、お前らとは違う。手を貸すことはできない。」
「そうか。でも、お前に殺ってもらいたい奴がいる。」
闇原黒也は背を向けて去ろうとする。
その時、《創始者》からの命令を話始める色弥。
殺人依頼。
言うまでもない、断わる。
「『澪原水流』を殺せ。」