「良かった…。」


「えっ?」


「陽菜ちゃんには…なるべくあの人と一緒に過ごして欲しくないからさ…。」


「それって、どういう…」


私が口を開くと、翔琉くんは自分の手を私の手の上に重ねた。


「翔琉くんっ!?ど、どうしたの??」


いきなり触れられたことで、ビクッと肩があがってしまった。


「あのさ、ずっと…陽菜ちゃんに言おうと思ってたことがあるんだ…。」


「わ、私に…?」


「うん。」


そう言って頷いた翔琉くんは、少し離れた場所で電話をしている明衣をチラッと見た。


まだ会話が終わらない様子の明衣。


その姿を確認した後、私に真剣な眼差しを向ける。




「俺……」


そして、翔琉くんが言葉を切り出し始めた時だった。





「陽菜!」