明衣…
昔、翔琉くんに…からかわれた時は、頬を膨らませながら追いかけまわしてたっけ…。
この公園をめいいっぱい使って、走り回ってたよなぁ…。
またひとつ、心の中に懐かしい思い出が押し寄せた。
それにしても、話題が変わって良かった…。
っていうか、翔琉くんがわざわざ話を逸らしてくれた…っていうのが正しいよね…。
私は、ジャングルジムの周りを走っている翔琉くんを目で追った。
“俺…あの頃からドキドキさせられてたんだから…。”
頭の中で、さっきの翔琉くんの言葉が再び駆け巡る。
私は慌てて視線を逸らして深呼吸をした。
ダメだ…。
思い出すと余計に顔が熱くなる…。
落ち着け、私。
何度も心に言い聞かせてから、翔琉くんたちのいる方へと向かった。