｢エリシャ…今から庭に行くんだけどエリシャも行くかな？｣



｢庭…｣




｢あぁ花がたくさん咲いているとてもキレイなところだよ｣



｢行きます｣




｢じゃあ一緒に行きましょう｣



サアァー……


心地良い風が吹くなか



色とりどりの花が庭を飾る



｢…ジャック、この庭はジャックがずっと手入れしているの？｣



少し驚いたような顔をしたジャック




｢………いや…わたしは花のことをよく知らないんだ…だから水やりしか出来ないきっと枯れてしまう花もある｣



｢じゃあここまで育てたのはジャックじゃないの？｣




｢…………はい｣




ジャックは着ていたコートのポケットからぐしゃぐしゃの紙を出した




｢今まで花の世話をしていたのはこの女性なんだ｣



紙は写真だった



写真の女性は長く美しい髪に白い肌…口元にホクロがあって



とても素敵な人




｢この女性は今はいないんですか？｣




｢………今はもういない｣





｢会えないの？｣





｢見ることも出来ないんだこの女性は天国とゆう世界に行ってしまった｣




｢そうですか…｣




さっきまで暖かく庭を照らしていた太陽が雲に隠れてあたりが薄暗くなる





さっきまで暖かく私を包んでいたジャックの笑顔が曇る