その瞬間



ふわり…と花の香りが
風と共に私を吹き抜ける



自然と目を瞑り
ゆっくり開いた



抱きしめていた
温かい日だまり…

レイチェルは

もういなかった…


「…レイチェル…?」



開いていた窓は
何故か閉まっていて


差し込む光は雲に隠れて
もう消えていた



ふと…気がつくと



レイチェルは`ジャック'と
途中まで呼んでいたのに



いつの間にか



`博士'と呼んでいた