家までの帰り道
エリシャが手を握ってきた…
その時…アレックスの言葉が
頭をよぎる…
『本気…だと思いますよ彼女は』
…あの後わたしは、はぐらかした
「ジャック?」
「ん?どうしたんですか?」
「考え事してるみたいだったから」
「あぁ…いやトムのことを考えていたんだ」
「トムのこと?
何かあったの?解り合えたんでしょ」
「…うん、エリシャのお陰だよありがとう
だけどトムは村を出るみたいなんだ」
「えぇ!何で!?」
「仕事をしに行くと言っていた
資金は村で働いたときに
貯めて、もういつでも行けるって…
…自分の仕事をしに行くんだ
喜ぶべきなんだけど
今まで一緒にいなかったから
なんだか寂しいし心配なんだよ」
「……そう…でも心配することは
普通のことよ?
だって家族なんだから!」
家族…か
「あぁ…そうか…」
「そうよ!だからトムが村を出るとき
笑顔で送りだしてあげましょ?」
「…そうだな」
握っている手に少し力を入れる
エリシャはそれに気付いて
わたしに笑いかけた…