私はそっとアレックスの横に行き


通路からアレックスと出た


リビングに行き私は
持ってきたアップルパイを出した


「…気を効かせたんですね
ってなんですか?それ


パイですか?」



「2人の方が話しやすいでしょ

これ?私が作ったのよ
アレックス、紅茶淹れていい?」



「淹れても良いですけど
今から淹れたら2人が来たときには
冷めてますよ…」



「あ、そうか!


そう言えばあなたって
意地悪ね、ジャックにあんな皮肉たっぷりの
言葉言って…」



「僕はあなたのことも
ファインズさんのことも
よく知らないですから…


あなた達の嫌な噂しか
聞いて育ってないんです

それに真実がどうであれ
5年間トムを苦しめてきたのは
事実ですから


そりゃ皮肉も込めたくなりますよ」



「…あなたは大人過ぎるわ」



「だってもう大人の歳ですよ僕

トムがガキ過ぎるんですよ」


「はっきり言うのねあなた

…でもその割にトムのこと
すごい大切な存在でしょ?」


「…あなたもなかなか
はっきりですよ……?」



「ふふ…どっちもどっちよ」



部屋にアップルパイの甘い香りが
広がって…私の鼻先をくすぐる



色んな想いが混じりあって
不意にこんな言葉が出た




「良い日ね……」