次の瞬間、あたしは駆け
出してた。




オフィスには戻れない。




となったら進める所なんて
限られてて、通路を走って
結局トイレに駆け込む。




個室のドアをバタンと
乱暴に閉じて、そこに
背中をあずけた。




ハアハアと、驚くくらい
息が荒い。



でもこれは走ってきたから
じゃない。




抑えようのない感情の
奔流が、体の中を
うごめいてるから。



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