――あたしは瑞樹クンと
一緒に取引先に行ってて、
外から会社に帰ってきた
とこだった。




うちの会社は複合ビルの
中にあるから、建物自体
にはそれこそ不特定多数の
人間が出入りする。




その日エレベーターから
オフィスのある階に降り
立つと――そこに、一人の
女の人が立ってた。




その人を見てあたしは
すぐに、『この人、階を
間違えたんだ』って思う。



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