「缶ジュース…いくらでしたか?」


「あぁ…いいよ。奢ってあげる。」


えっ、いいのかな。

一瞬ためらったが、やっぱり奢ってもらうなんて出来ないと思い、もう一度彼に顔を向けた時、


「あのさ、通りすがりの俺がこんなこと言うのも間違ってるって思うんだけど…」


「…え?」

彼の言葉がいまいち理解出来なくて首を傾げる。









「…そのケガ、どうしたの?」


「…っ!」


思わず肩が上下に揺れてしまった。一番聞かれたくない事を聞かれたからかもしれない。


「君、高校生だろ?こんな真っ昼間にしかも沢山ケガしてる子がいるなんて…ちょっと気になってさ…」




だよね…

不思議に思わないほうが変だよね



「……」


「……」


沈黙が続く。

どうしよう、なんて言ったらいいか分からない。