私は、“王子”を見た瞬間固まった。 「晶??」 誰にも聞こえない、吐息の様なか細い声で、王子の名を呼んだ。 女子に群がられて、眉間にしわを寄せて…不機嫌さを露わにしている晶。 「………」 一瞬だったが、晶がこっちを向いた。 「銘子??」 微かにそぅ口が動いた気がした。