あれは、今から10年も前。 あの日も、朝から雪がちらついていた。 「晶ぁぁ~!!」 私の家から50mほど先にある武家屋敷の玄関前で、私は叫んだ。 ちょうど庭には使用人の人が居た。 挨拶していると、怠そうに玄関の中から出てきたのは“晶”だった。 もぅ昼だというのに、晶は眠たそうに出てきた。