新しい彼氏ができて1週間がたった。
「直希!!」
「ん~」
「なんもないっ☆」
直希は、あたしより2つ年上。
モデルでもやっているんじゃないかと思うくらいかっこよかった。
「樹衣っ」
「ん?」
「バイク買ったら会いに行くから待ってろよ?」
「うん、待ってる☆」
そんな幸せな日々も崩れていくことを知らないまま生活していた。
ある日。
「樹衣、話がある…」
「なに?」
「じ、実は俺…うつ病なんだっ…」
「え…」
あたしは耳を疑った。
直希がうつ病?
「それって治るの?」
「今はわからない。樹衣さあ…無理だったら別れていいからなっ…」
「…れないっ」
「え?」
「あたし別れないっ」
直希の支えになりたい、あたしはそう思った。
だからそばにいたい。
離れてるけど、直希のそばにいたい。
「樹衣…ありがとなっ」
「一緒にがんばろう」
あたしは…直希から離れないよ。
そんな思いも、長くは続かなかった。