「誠也ぁ、千夏がね『元気にしてる?』ってゆってたよ~」
「きもっ」
やっぱり。
千夏に何か言われると、誠也はいつもこんな感じだった。
千夏は結構「悪い子」で、まあ…あたしも悪い子なんだけど。
誠也は悪い子が嫌い。
「タバコ」
「ピアス」
「酒」
これは無理って言ってたっけ。
「樹衣おはよ☆誠也に言ってくれたぁ?」
あ…どうしよう。
誠也が言ってたことなんて絶対言えない。
「ごめん、時間なくて言えなかった…」
「そっか…」
なんでそんな悲しそうになるの?
もしかして…
「千夏…誠也のこと…」
「えっ?」
「なんもないっ」
あたしは…なんとなく聞きたくなかった。