そっとグローレン少将の体を横にして、ゆっくりと立ち上がるアレクセイ。

蒼真も、シオンも、ルシファーも。

それに呼応するように立ち上がる。

ボロボロなのは皆同じ。

だが、ここで立ち上がらずして何が兵士か。

…気づいたのだ。

若者を次々と戦地に送り出す、ともすれば非情な指揮官のように思われるグローレン少将。

しかし、違うのだ。

彼ほどの人格者だ。

己が戦えるなら、自ら出陣している筈。

それができない老いた体であるばかりに、罪もない多くの若者を死地に送らなければならない。

その苦悩。

その憤り。

その不甲斐なさ。

こんな戦いが続くばかりに、グローレンもまた苦しみ続けていたのだ。