岩壁まで吹き飛ばされ、叩きつけられるグローレン。

口元から血が溢れ出し、彼はそのままズルズルと崩れ落ちる。

しかし、流石は生粋の軍人。

キッチリと置き土産を残していた。

尾の一撃と引き替えに、手にした軍刀をグランドマザーに投げつけ、その腹に突き立てている。

「グローレン少将!」

傷ついた体をおして駆け寄るアレクセイ。

「すまんな…諸君らにだけ傷つかせる訳にはいかんと思ってここまで来たが…」

アレクセイの腕の中、グローレンの瞳に涙が浮かんだ。

「おのれ…老いた体が恨めしい…この体では…死んでいった戦友達の仇をとる事も出来んのか…!」