ルシファーが更に全身に力を込めた。

僅かずつ引き摺られていた体が完全に止まり、グランドマザーの巨体が前に進めなくなる。

そこを狙って、アレクセイと蒼真が斬りかかった!

「ぬぅうぅうっ!」

体が痛むのか、苦痛に表情を歪めながらもアレクセイが肢曲を敢行する!

その残像に、グランドマザーの攻撃が空を切る。

その隙に間合いを詰めた蒼真が、二刀を振りかざす!

より深く、より大きなダメージを与える為に、斬りつけるのではなく、二刀の切っ先をグランドマザーの体に突き刺す!

根元まで深々と突き立てられる二刀。

流石にこれは効いたらしく、グランドマザーが悲鳴を上げた。

咆哮ではなく悲鳴。

攻撃が有効だった証拠だ。

「お気に召したかい…なら…!」

尻尾を放したルシファーも、軍刀を構えてグランドマザーの背中に突進する!

「こいつはおまけだ!」

突き刺さる、ルシファーの軍刀!

グランドマザーの背中から噴き出す鮮血!

それでも。

「うぐぁっ!」

グランドマザーは、ルシファー達三人を蹴散らす余力を十分に残していた。