場面は移る。

足蹴にされてしまったシオン。

しかしグランドマザーは彼女を踏み潰す事はなく、寸前で足を止めていた。

…頭部に石を投げつけられたのだ。

別に何の痛みも感じはしなかったが、敵対するものにグランドマザーは怒りを覚える。

無機質な眼が向けられた。

…妃の方に。

グランドマザーに石を投げつけたのは、無論妃だった。

もう彼女は軍刀を持っていない。

グランドマザーに対抗するには、石を投げつける程度しか出来なかった。

「シオンちゃんから、足をどけなさい!」

無様なまでに体は震えている。

仮にグランドマザーが狙いを定めてきたら、逃げる事もできないくらいに腰が引けてしまっている。

だが、ここは譲れないし譲らない!

「私だってアレクセイ分隊の一員よ!」