内臓がよじれそうな圧迫感。

全身の骨が砕けそうな衝撃。

噛み締めた唇が切れ、血の味が広がる。

それでも。

「うぐぐぐぐ…!」

シオンは踏ん張って、何とかグランドマザーの踏み付けを押し返そうとする。

死ねない。

死ぬ訳にはいかない。

ここで倒れたら…世界を導けない!

だが幾らシオンでも、たった一人でグランドマザーの力に抗するには限界がある。

腕立て伏せの要領で持ち上げた体が、徐々に押し潰されていく。

地面にうつ伏せになってしまったら最期だ。

もう二度と押し返す事は出来ないだろう。

歯を食いしばり、ボタボタと汗をこぼしながら、懸命に耐える。

しかし、それももうここまで。

圧し掛かる重量。

腕が震え、肘が折れる。

「もうっ…だめぇっ…!」

悲鳴の如きシオンの声が上がり、そして…。