踏みつけるグランドマザー。

その体重は、軽く見積もっても1トンはあるだろう。

全体重で圧し掛かられていないとはいえ、普通の人間ならば一瞬にして圧死している重さだ。

シオンが無事だったのは、華奢な見かけによらず全身を高密度の筋肉で覆われていたからである。

超人的な運動能力を持つという事は、その運動神経を使いこなせるだけの筋肉も持っているという事。

少女らしい外見とは裏腹の頑丈な体が、グランドマザーの踏み付けにも耐えるという驚くべき結果をもたらしていた。

とはいえ、それも長時間耐えられるものではない。

「うぁああぁあ…!」

苦しげにシオンが呻く。

グランドマザーが彼女の体を踏みにじったのだ。

その行為には、シオンに…いや、人間に対する憎悪さえ感じられた。