元々AOKは、宇宙鉱石を素材とした武器でないと有効なダメージは与えられない。

しかし通常の刃をも通さないほどの頑強な体を持つAOKは初めてだ。

流石に兵隊AOKとは一線を画するといった所か。

「沖田少尉!」

妃が持っていた軍刀を蒼真に投げ渡した。

「お、おい…」

蒼真が困惑の表情を見せる。

「これはあんたが時雨少佐から譲り受けた…」

「そうよ。由緒正しい『護り刀』。きっと沖田少尉の二刀の力になってくれるわ。私が持っているよりもね」

妃が笑みを浮かべる。

「…奴を仕留めたら、綺麗に磨き直して返す」

即座にグランドマザーに向き直り、蒼真は二振りの軍刀を手に構えた。

「おいおい、何勝手に盛り上がってんだ!」

ルシファーも抜刀して歩み出る。

「私だって!」

シオンが後に続く。

「よし、妃少尉、怪我人が出たらサポートを頼む」

アレクセイも隊員達と共に前に出た。

「アレクセイ分隊、突撃!」