そうと決まれば、こんな所で足止めを食らっている暇はない。

幸い時雨分隊の戦闘能力は折り紙つきだ。

アレクセイ分隊が何の心配もする必要はない。

「アレクセイ分隊、時雨分隊に対して、敬礼!」

マザーとの戦闘に臨む時雨分隊。

その背中に、アレクセイ分隊長の号令で敬礼を送る。

その敬礼を背中に感じながら。

「早く行け!一刻の猶予もないぞ!」

ラルフが叫ぶ!

「了解…アレクセイ分隊、先に進むぞ!」

こちらの部隊もまた、巣穴の奥へと再び進軍する。

…絶望の深淵へと勇敢に突き進んでいく、新しい希望達。

「ご武運を…お祈りしています…!」

彼らを見送りながら、奈々が小さく呟いた。