『Operation Daybreak』での苦戦が嘘のようだった。

時雨分隊はたった5人で、あのマザーを完璧に封じ込めている。

この分だと駆逐も時間の問題だろう。

「何してるんだ、まだいたのかよ?」

皓がアレクセイ分隊の面々に言う。

「ここは引き受けるって言ったろ?早く奥に進めよ」

「……」

彼らの強さに、シオンや妃は言葉を失うしかない。

流石国連軍最強とさえ言われる部隊だ。

アレクセイ分隊よりも、遥かに連携や戦闘能力も優れている。

「グランドマザーは彼らに任せた方がいいんじゃないか?」

蒼真でさえ、そんな弱気な台詞を口にする。

だが。

「それは違うだろう」

綾斗が口を差し挟んだ。

「そうですよ」

振り向き様に奈々も言う。

「グローレン少将は、貴方達に人類の未来を託したんです。貴方達ならグランドマザーを倒せると考えたから任務を命じたんです。だったら…」

「ああ」

晴も強く頷いた。

「世界を導くのは、あんた達アレクセイ分隊の役目だ。俺達じゃない」