アレクセイ分隊が、何事か言う間もなく。

「時雨分隊、散開!」

分隊長のラルフ・ハミルトン少尉が指示を出す。

「これより敵AOK『マザー』駆逐に移る!綾斗と皓が先陣を!奈々と晴は綾斗達のサポートに回れ!援護射撃は俺が引き受ける!」

銃剣型軍刀の取り付けられたM4アサルトライフルのトリガーを引くラルフ。

その射撃の援護を受けながら、綾斗と皓がマザーとの間合いを詰める!

接近してくる二人に対して、大きなモーションで爪を振り下ろすマザー。

囮になったのは皓だ。

かつて『Operation Daybreak』の際には、一人の隊員がマザーの攻撃を受け止める間に他の隊員が攻撃を仕掛けるという捨て身の戦術を取った。

しかし。

「!!」

マザーの攻撃が空を斬る。

『Operation Daybreak』の時よりも素早い動きを身につけた皓は、既に捨て身の戦術など取らなくても、十分にマザーを翻弄できるまでに成長していた。