「まさかマザーがまだ巣穴に存在するとは…」

驚愕の表情で見上げるアレクセイ。

巣穴の天井ギリギリという巨体を窮屈そうに動かして、マザーはアレクセイ分隊を睨む。

完全に臨戦態勢に入っている。

こちらが動けばすぐにでも襲い掛かってくるだろう。

巣穴の入り口では、ルシファーがマザーの首を一刀両断した。

が、あれは隙を突いた上に一般兵士達のお陰でマザーがある程度弱っていたからだ。

今度はこの場にはアレクセイ分隊の5人しかいないし、マザーも無傷だ。

苦戦は免れない。

だが、マザーを倒さないと先に進めないのも事実。

「無駄な体力は消耗したくない、一気に仕留める!」

アレクセイの指示で、隊員達全員が抜刀する!

その時…「!!」

巣穴の中に鳴り響く銃声、命中する対AOK弾、よろめくマザー。

全てが一瞬の出来事だった。

思わず振り向く隊員達。

そこには、白髪のアメリカ人の分隊長が率いる少年少女の部隊が立っていた。

「何をモタモタしているんだ。ここは時雨分隊が引き受ける。早く先に進め」