アレクセイ分隊は巣穴を更に奥へと進む。

大体にして親玉というのは、最深部に構えていると相場が決まっている。

ルシファーの感じ取った気配も、最深部から感じられるものだ。

この複雑な迷路のような巣穴の終着点に辿り着いた時が、アレクセイ分隊の最終任務の時という訳だ。

が、勿論そこに至るまでに難関は幾つもある。

「む…待て!」

生粋の侍の如く、殺気を察知した蒼真が部隊の進軍を止める。

直後!

「ひゃあっ!」

シオンの頭上を、丸太の如き尾が通過した!

岩壁を叩き、破片を撒き散らす卵管状の尾。

「何て事…!」

蹲ったシオンを引き起こしながら妃が呟く。

もうすぐグランドマザーという時に、再びこの巣穴奥深くで、彼らはマザーと遭遇してしまったのだ。