苦戦する三人を嘲笑うかのように、ルシファーを囲むAOK達の包囲は狭まっていく。

「くっ…くくくっ…」

その囲みの中、ルシファーは笑っていた。

化け物が、化け物に共食いされて終わりか。

僕には似合いの最期じゃないか。

元々この臓器だって、AOKのものなんだ。

借り物を連中に返すんだと思えば何て事はない。

それにしても…。

苦痛で霞むルシファーの目が、必死にこちらに近づこうとするアレクセイ、シオン、蒼真の三人へと向けられる。

何やってるんだ、あいつら…。

まさか、僕を助けようとしているのか?

化け物に成り下がって、一度も連携を取ろうとさえしなかったこの僕を?

死の間際になって、不思議な感覚が胸の内に去来する。

今まで蔑まれ、疎まれた事しかなかった自分を、初対面同様の彼らは助けようとしているのか?