援護に来たシオンや蒼真さえもを拒絶するように、ルシファーは好き勝手に戦う。

いや、戦うというよりは暴れ回るといった方が適切か。

連携もコンビネーションも考えず、広い空間さえも狭しと奔放に刃を振るう。

迂闊に近づけば、アレクセイ分隊の隊員達でさえも斬られそうな勢いだ。

しかし強い。

AOKの群れでさえもルシファーには傷を与えられず、ただただその軍刀の餌食となるしかない。

「止むを得ないな」

歯噛みしつつアレクセイが指示を出す。

「ルシファー少佐と距離を置きながら援護に回れ!彼の背後を守るんだ」

ルシファーが連携する気がないのならば、他の仲間が彼のフォローに回る。

どんなにルシファーが好き勝手に戦おうと、決してアレクセイ分隊は彼を見捨てる気はなかった。

…何とかAOKの群れに押される事なく戦闘を続ける部隊。

だが次の瞬間。

「うぐ…?」

それまで傍若無人なまでに剣を振るっていたルシファーの動きが止まり。

「うげえぇえぇぇぇぇっ!」

突如跪いて嘔吐!

「ぐ…くそぉっ…うぐ!うげっ!げぇええぇえぇぇっ!」

まともに口も利けないほど、ルシファーは嘔吐を繰り返す。

「こんな時に…うぐは!…拒絶反応がっ…!」