「油断するんじゃないよ、間抜けども!」

身を翻し、ルシファーが身構える。

同時に抜刀する他の隊員達。

大きな空間のそこかしこから、何かが蠢く音が聞こえてきた。

「くっ…」

後ずさりする蒼真。

その足元に、何かが当たる。

「っ…これは!」

その目が大きく見開かれた。

30センチほどの大きさの、半透明の楕円形の物体。

透けて見えるその物体の中で、粘液に塗れた不気味な生物がもがくのが見えた。

「卵…AOKの卵!」

今にも悲鳴を上げそうな声を押し殺し、妃が戦慄した。

目を凝らせば、地面だけでなく天井にまで、夥しい数の卵が産み付けられている!

そしてそれを守るように、無数のAOKも身構えている!

「成程…」

アレクセイが歯噛みした。

「ここはAOK達の揺りかごか…!」