ルシファーの表情が緩んだ。

明らかに侮蔑の表情。

「恥ずかしげもなく偽善的な…いざとなれば平気で人間をモルモットにできる連中が何を言うんだい?」

主にその言葉は妃に向けて放たれたもの。

「…っっ…」

妃が俯いて唇を噛む。

が、そんな彼女を庇うように。

「みんながみんな、ルシファー少佐を実験台にしたような酷い人ばかりじゃないんですっ」

シオンが負けじと言い返す。

「あっはっはっ!お子ちゃまには似合いの甘ったれ論理だね」

軍刀を肩に担ぎ、額に手を当ててルシファーは笑う。

「人間なんて一皮剥けば利己的な生き物なんだよ?お嬢ちゃんも体の中にAOKの臓器詰め込まれた後で、もう一度その言葉を言ってご覧よ?きっと反吐撒き散らしたくなるから」

「っっっ…」

シオンさえも俯き、唇を噛むしかない。

と。

「ならば問おう」

一歩前に出たのは蒼真だった。

「何故貴様は先程マザーを仕留め、俺達を救った?」