やがて双眸の持ち主が、地響きと共にゆっくりとアレクセイ分隊の前に姿を現す。

「ぅ…ぅきゅう…っ」

その迫力とおぞましさに、シオンが思わず腰を抜かしてペタンとへたり込んだ。

「こ、こいつは…」

蒼真も二刀を握り締めて見上げる。

そう、まさに見上げるほどの巨大なAOKが、巣穴から彼らを出迎えたのだ。

「グ、グランドマザーか!?」

愕然とするアレクセイに。

「違うわ」

妃が言う。

彼女はAOKの生態を長年に亘って研究してきたのだ。

見間違える筈がない。

グランドマザーはコイツよりも更に巨躯を有する。

「こいつは『マザー』…極東支部の『Operation Daybreak』の時に出現が確認された、いわば中ボスってとこね」