アレクセイ、シオンの二人が、追い詰められた蒼真と妃に気づく。

「アレクセイ大尉!」

足払いでAOKのバランスを崩し、転倒した所に刃を振り下ろしたシオンが叫ぶ。

「わかっている!」

袈裟斬りをAOKに浴びせたアレクセイは、そのまま立ち止まる事なく群れの中央突破を図った!

無論AOK達も簡単に抜かせる気はない。

こんな人間一人、数で押し包めば簡単に仕留められる。

そう考えた白い狩人達は。

「!?」

目前で途端に増殖したアレクセイの姿に驚愕する!

背後に隠れていたのか?

それにしても全く気配を感じさせなかった。

瓜二つの人間達が、こちらの倍近い数で押し寄せてくる!

…AOK達に『肢曲』という技の理論など理解できる筈もない。

まさしく『化かされた』ような反応で攻撃に躊躇するAOK達。

「今だ、シオン少尉!」

アレクセイが叫ぶ!