蒼真が左右の刃を構える!

「俺が突破口を開く!妃少尉は囲みを破れ!」

横薙ぎのサバイバルナイフ、突き出した軍刀の切っ先が、AOKの包囲を引き裂く!

そうやって手傷を負わされたAOKに、とどめを刺していく妃。

急造とは思えない連携で、AOKの群れが蹴散らされていく!

『二人とはいえ手強い人間』

AOKに思考があるのならば、そう考えたに違いない。

しかし彼らも本能だけで動く生命体ではない。

仲間同士でコミュニケーションをとり、協力しながら獲物を狩る生物だ。

一匹ずつで襲い掛かる事はせず、少しずつ包囲の輪を狭めて蒼真と妃の動きを封じていく。

「まずいわ…追い込まれてる…!」

場数を踏んでいない妃は、明らかな窮地に狼狽する。

「うろたえるな、焦りは隙を生むぞ」

言いつつ、蒼真にもこの状況を打破する有効な手は思い浮かんでいなかった。