アレクセイ分隊の投入により、AOKに押し込まれていた戦線も盛り返してきた。

まだ対AOK弾の残弾を持つ一般兵士の部隊と共に、奮闘するアレクセイ分隊。

その中でも、シオンと並んで一際数多くのAOKを仕留める兵士の姿があった。

彼はAOKの攻撃を左手のサバイバルナイフで受け、がら空きの腹を軍刀で切り裂く!

容赦のない戦術を見せるのは、蒼真の二刀流であった。

左右の刃が閃く度に、白い屍が地面に横たわっていく。

たった一人でありながら、まるで二人の兵士が絶妙のコンビネーションで戦っているかのようにさえ見える。

まさしく『双剣の神』。

表情こそ冷淡なままだが、彼の進む背後にはAOKの累々たる死体が連なっていた。

国連軍の兵士達にとってはまさに加護を呼ぶ軍神。

しかしAOK達にとっては災いを呼ぶ死神に違いない。

「さぁ」

蒼真の眼光が次の獲物を探す。

「死に急ぎたい奴はどいつだ…?」